北のスパイが大統領な国。◇◆ 米国が南北にメッセージ「非核化実現前に制裁は解除しない」 ◆◇
今月11日に予定されている韓米首脳会談と北朝鮮の最高人民会議(国会に相当)を前に、米国は「非核化が実現する前に制裁の緩和はあり得ない」とのメッセージを相次いで発している。 これについてある外交筋は「1次的には北朝鮮への警告」との見方を示した上で「韓国政府が北朝鮮の主張を一部受け入れた『早期の収穫論』などと言い出したことへの不満も込められている」と指摘した。
米国のトランプ大統領は6日、米共和党ユダヤ連合(RJC)の定例イベントで演説し「私は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と良い関係を持ち続けている」としながらも「正しい合意が必要だ」とも述べた。 北朝鮮が核を完全に放棄する形での合意がなければ、制裁の緩和など相応の措置には応じないとの意向を改めて示したものとみられる。
米国のポンペオ国務長官も前日に米CBSテレビとのインタビューで「トランプ大統領の制裁緩和に対する考えはあいまいなものではない」 「究極的な目標(非核化)が実現するまで、国連による北朝鮮への制裁は解除されないだろう」と述べた。 これは「(11日にホワイトハウスで予定されている)文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領との首脳会談で、制裁の一部緩和に合意するのか」との質問に答えたもの。 ポンペオ長官は開城工業団地や金剛山観光の再開を求める声についても「われわれ(韓国と米国)はこの制裁を実行するに当たり緊密に協力してきた」と指摘し、再開は認められないとの考えを改めて明確にした。
米国務省の関係者もこの日「国連の全ての加盟国が制裁を完全に実行し、北朝鮮の違法な核・ミサイル開発を終わらせるよう後押しする責任を真剣に受け入れることを期待する」と述べた。 これは前日に開城工団の企業経営者らがトランプ大統領に特別要請文を送付し、南北協力事業を制裁の例外として認めるよう求めたことへの回答だ。
このような「制裁緩和不可」の一貫したメッセージは、韓米首脳会談の直前に開かれる北朝鮮の最高人民会議第14期1次会議も同時に念頭に置いたものとみられる。 北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は先月外信と行った会見で、核実験やミサイル発射のモラトリアム(猶予)撤回を含む今後の対応について「最高指導者が近くその決意を明確にするだろう」と語った。 この会見について外交関係者の間では「金正恩氏の決意は最高人民会議で発表されるだろう」との見方が相次いだ。 ただしポンペオ長官は最高人民会議で金正恩氏が重大な発表を行う可能性について「とてつもない発表が行われるとは考えていない」 「金正恩氏が北朝鮮の指導者として、非核化こそ正しい道であるとの考えを(北朝鮮住民と)共有することを願う」などの考えを示している。
韓国大統領府の盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長は先日トランプ政権の初代首席補佐官を務めたフリーバス氏らと会い、北朝鮮の非核化や韓米首脳会談の見通しなどについて意見を交換した。 これについて上記の外交筋は「今回の韓米首脳会談を米朝非核化交渉の動力を取り戻すきっかけにしたいという意志がうかがわれた」と述べた。 これに先立ち韓国外交部(省に相当、以下同じ)の康京和(カン・ギョンファ)長官、国防部の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官、韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長らは先月末にワシントンで米国のカウンターパートと相次いで会談し、韓国政府が掲げる非核化の折衷案とされる「早期収穫論」や「グッド・イナフ・ディール(十分に良好な取引)」について説明を行ったという。--- 朝鮮日報日本語版(2019/04/08)より 抜粋 ---