ずっと昔から・・・◇◆ 韓国は米国にとっても身勝手で「困った国」になってしまった ◆◇
韓国は日本だけでなく米国にとっても「身勝手」な国に
最近、韓国という国は、日本だけではなく米国にとっても“身勝手”な国になってしまったようだ。 現在の文政権は国民の不満や恨みの感情を抑えることができず、自国の世論に押されて国際社会の秩序やルールから逸脱しつつあるように見える。 これまで米国は韓国の“身勝手”に不安を感じつつも、忍耐強く見守ってきた。 その背景は、朝鮮半島情勢の不安定化を避けるため、韓国の世論を敵に回すことは適切ではないとの思いがあったことだろう。
しかし、足元の米国の行動を見ると、韓国の身勝手さに耐えかねて警告を発している。 米国は、自国の北朝鮮政策と逆行する韓国の北朝鮮融和姿勢を放置できなくなったとみられる。 特に、国際社会が取り組んできた北朝鮮制裁を、韓国は本気で守っていないとの見方がある。 それは、米国が大型監視船を韓国に派遣したことからも分かる。
文政権の認識はかなり危険だ。 北朝鮮にとって、韓国が北を支援する状況は時間稼ぎのために実に都合がよい。 この状況が続くと、米国が圧力と対話を通して北朝鮮の核問題の解決を目指すことは難航することが懸念される。 今、韓国では景気が急速に減速している。 世論の不満はさらに高まるだろう。 文政権は、世論が求める南北の統一や反日姿勢をとらざるを得ない。 それに伴い、国際社会の中で韓国の孤立感は一段と高まるだろう。 日本政府は国際社会と連携を強化し、自国の主張への賛同を確保すべきだ。
身勝手な行動をとり続けてきた韓国
韓国という国を見ていると、大衆の感情の赴くままに動いてきたことが多いように思う。 現在、韓国では2つの感情が政治を振り回している。 1つ目は、言うまでもなく、反日感情だ。 世論は、わが国への“怨念”というべき感情を日に日に強めている。 本来であれば韓国政府は、1965年の日韓請求権協定によって、日本と韓国両国間の請求問題が完全に解決されたとの立場をとらなければならない。 その上で国内の不満には自国で対応するのが筋だ。 国家間の合意を順守することは、国際政治の最もベーシックなルールだ。 それができなければ、政府間の協議は成り立たない。 しかし、大統領支持率が最低となる中、文大統領は世論に配慮せざるを得ない。 韓国では世論を中心に日本への批判が強まるだろう。
もう一つが、北朝鮮との融和に関する世論の心情だ。 祖国統一は文政権を支持した人々にとって一種の夢なのだろう。 文氏としても、世論の求めに応じる姿勢を示し、支持をつなぎ留めたい。 そのために文氏は、かなり思い切った行動をとってしまった。 具体的に、韓国は国連の規定違反を犯してしまった。 昨年、韓国は300トンに上る石油製品を北朝鮮に提供した。 国連は韓国と北朝鮮の経済プロジェクト向けの物資提供を報告するよう義務付けてきたが、韓国はそのルールを守らなかった。
3月、国連は、北朝鮮制裁に関する報告書を公表した。 その中で国連は、韓国企業がロシア経由で北朝鮮産石炭を輸入していた問題に関する調査を継続すると記している。 この問題も、国連の北朝鮮制裁に違反している。 そのほかにも、韓国の船舶が北朝鮮の船舶と“瀬取り(洋上での物資受け渡し)”をしていたことへの疑いが浮上している。 韓国は国連の北朝鮮制裁を遵守しなければならないにもかかわらず、それを徹底できていない。 こうした展開をもとに考えると、韓国国内には、「自分たちは何をしても許される」というような、かなり一方的な発想があるように思えてしまう。 韓国が北朝鮮制裁を順守し、米国をはじめとする国際社会と歩調を合わせる展開は期待しづらい。
忍耐強く見守ってきた米国 堪忍袋の緒が切れかねない
米国は、これ以上、韓国が身勝手なふるまいを続けることを容認できない領域に入りつつあるようにみえる。 米国は北朝鮮への制裁を続け、核兵器の開発をあきらめさせたい。 米国の安全保障の専門家らは、これまでの制裁を受けて北朝鮮が疲弊してきた中、最低限、現状の制裁は維持しなければならないと考えている。
一方、北朝鮮の金委員長にとって、核兵器は体制維持のためのお守りだ。 同氏がそれを手放すことは考えづらい。 今後も、米国は制裁の維持を念頭に北朝鮮の核問題に取り組むだろう。 状況によっては米国が制裁を強化することもあり得る。 しかし、文政権の考え方は米国とは大きく異なる。 政権内では、制裁を解除し開城(ケソン)工業団地の稼働や金剛山観光の再開を求める声が増えてきた。 それは、韓国が米国の北朝鮮政策を牽制し、批判しているようにさえみえる。 第2回米朝首脳会談が物別れに終わったことも重なり、文政権内では北朝鮮との共同経済プロジェクトの推進を求める声が一段と増している。
米国は一方的に北朝鮮との融和を推し進めようとする韓国を、本当の意味で信用できなくなりつつあるのだろう。 そうした状況が進むと、米国は韓国と連携して北朝鮮政策を進めることは難しくなる。 米国政府内では、北朝鮮との融和を目指す韓国の前のめり姿勢への不安が高まっているはずだ。 その考えに基づき、米国は、北朝鮮の“瀬取り”監視のために韓国に大型警備艇を派遣した。 「韓国に北朝鮮の制裁逃れの監視を求めたとしても、効果は期待できない。 もはや米国自ら能動的に行動し、制裁逃れを取り締まらざるを得ない」というのが、米国の本音だ。
すでに北朝鮮は、中国やロシアとの関係修復と強化に取り組んでいる。 韓国の北朝鮮融和姿勢がさらに強まると、米国が北朝鮮との交渉を進めることは従来に増して難しくなるだろう。 米国にとって、韓国の北朝鮮融和姿勢は、政策運営を阻害する要因と化している。 わが国だけでなく、米国にとっても、韓国への忍耐は限界を迎えた。
韓国の国際秩序順守を期待してはならない
もし文政権の取り組みが見込めたなら、米国は口頭で韓国に監視強化などを求めただろう。 そう考えると、米国が警備艇を派遣したマグニチュードは大きい。 米国だけでなく国際社会においても、韓国が国際社会の秩序やルールを守ることは期待しづらいとの認識が増えるだろう。 今後のポイントは、文政権が、自国が厳しい状況に直面していることを冷静かつ客観的に理解できるか否かだ。 結論を先に述べると、文政権がそうした認識を持ち、実際に行動に移すことは難しいだろう。
世界的な半導体需要の低下を受けて、韓国の輸出は急減している。 中国は半導体製造能力の増強に注力している。 中国向けの半導体輸出を中心に収益を稼いできたサムスン電子の業績は悪化傾向をたどる可能性が高い。 それは、韓国の景気失速に直結する問題だ。 文政権が経済を立て直し、民衆の不満を解消することは困難と考える。
韓国の政治は従来以上に世論に迎合せざるを得なくなるはずだ。 日米と韓国の関係は一段と冷え込む恐れがある。 文政権は米国との関係悪化への危機感から米韓首脳会談の開催にこぎつけたが、文氏が米国の不信を解消することも難しい。 韓国内の北朝鮮融和支持派は、文氏が米国の主張に同調することを許さないだろう。 文氏がこの状況をどう立て直すことができるか、妙案は見当たらない。
米韓の関係が急速に冷え込む中、日本は自国の主張に賛同する親日国を獲得し、極東情勢の安定を目指さなければならない。 現在のところ、アジア新興国に加えEUも、日本に経済連携の推進を期待している。 わが国は、その期待に応えなければならない。 政府は、安全保障面では米国との関係を基礎にし、より大規模な経済連携を進めることが必要との認識をアジア新興国などと共有しなければならない。 そのために必要な支援は積極的に行えばよい。 それは、わが国が国際世論からの支持を得ることにつながる。 韓国の一方的な要求や批判を抑えるためにも、日本が経済連携などに関する議論を通して国際世論からの理解と賛同を得ることが重要だ。--- DIAMOND online(2019.4.9)より 抜粋 ---