万代常閑 まんだい‐じょうかん長い歴史に・・・
万代常閑の名は岡山よりも富山で有名で、富山では「越中売薬の祖」として知られる。富山市梅沢町の日蓮宗日向山妙国寺では万代家から分骨された常閑の遺骨をまつり、毎年売薬商人が帰郷する6月5日に報恩祭を営んでいるという。万代家では代々「常閑」を襲名しているが、ここにいう常閑は万代家11代の常閑である。
万代家の「先祖書」(『和気郡史 資料編上巻』所収「万代家文書」)などによると、万代家は3代主計(かずえ)の時、応永年間(1394~1427)に備前国和気郡益原村(現和気町益原(ますばら))に移り住み、常閑と改名、家名も「もず」から「まんだい」に改め、家伝の妙薬「延寿返魂丹(はんごんたん)」を以て医業を職とするようになったという。「返魂丹」は初代掃部助(かもんのすけ)が唐人から秘法を伝授されたものと伝えられている。