毅然として・・・◇◆ 韓国がGSOMIA破棄を撤回できない2つの理由 ◆◇
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月18日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。GSOMIA失効の影響について解説した。
GSOMIA破棄~日韓互いに平行線
韓国が破棄を決定した日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が23日に失効するのを前に、河野防衛大臣は訪問先のタイで韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防大臣と、さらにアメリカのエスパー国防長官を交えた日米韓の3ヵ国の防衛大臣会談に臨んだ。 しかし、韓国側は日本の輸出規制が原因とし、議論は平行線に終わった。
飯田)平行線というか、韓国が一方的に放り出すと言って来たことが始まりでした。
須田)日本は韓国に対して、安全保障上の問題を理由に輸出規制をしましたが、韓国としては安全保障上の信頼関係がない以上、GSOMIAの破棄という理屈なのです。 私が取材したアメリカ国防総省の関係者によりますと、だったら日本側の信頼が回復できるような、特に北朝鮮への戦略物資の横流しという懸念があるのだから、その回復に努めるのが韓国側のするべきことであって、それに対する報復でGSOMIAの破棄はありえないだろうと。 日本側もそういうスタンスですし、アメリカ側もそういう認識を持っています。 韓国側も、自分たちで言っているロジックが矛盾していることは認識しているはずなのですよ。
韓国が破棄を主張する2つの理由
須田)なぜ韓国がこういう行動に出るのかと言うと、2つの理由があります。1つは、国内世論向け。 日本に譲歩したという姿を見せることができないということです。 文在寅政権を支えている人たちは、日本に厳しい視線を向けている人たちが多いですから。 もう1つは、面子の問題です。 日本には2つの選択肢があって、是々非々で臨むのか、裏側で韓国の面子を立てながら、というところになるのかという選択肢です。 後者を選んだ場合、またいつか来た道になってしまいます。 そうなると今後も繰り返されて、問題解決には至りません。 厳しく臨むべきでしょう。 ここは日本側の対応も試されていると思います。
飯田)いろいろな圧力や工作があるのでしょうが、毅然として対応しない限りは、また同じことになってしまいます。
須田)変に譲歩してしまうと、日本は無理難題を吹っかけても、結果的には譲歩してくれる国なのだと思われます。 失効を間近に控えていて、韓国側としては瀬戸際外交だと思いますが、このような外交が有効なのか疑問に思います。
韓国に疑念を抱くアメリカ
飯田)瀬戸際外交ですよね。アメリカは危機感も覚えていて、国務省の高官や国防長官も行っているなかで、この間は制服組のトップが行ったではないですか。 「GSOMIAを破棄したら、得をするのは中国、ロシア、北朝鮮だ。利敵行為ではないか」というところまで踏み込みましたよね。
須田)すべてのことをロジカルに考えるアメリカとしては、韓国の行動が理解不能なのですよ。 8月の時点でワシントンへ行って取材したときに、「韓国がGSOMIA破棄に動いたらどうしますか?」と聞いたら、笑って「ありえない。 韓国にとってのみメリットがある話なのに、破棄するのはデメリットしかないのだから、合理的に考えてありえるはずがない。 その過程の質問には答えられない」と門前払いでした。 それをやってしまった韓国は、一体何なのでしょうか。 米韓で軍事同盟を結んでおくことが有効なのか、というところまでアメリカ側は思っていると思います。
朝鮮半島からのアメリカ軍撤退の話も加速する
飯田)朝鮮半島には、アメリカ軍の陸軍を中心とした部隊がいます。 これも退くという話になりますか?
須田)軍事情報共有の問題だけでなく、韓国は朝鮮半島で有事が起こった際に、こちら側と歩調を合わせて対応してくれるのか、というところまで疑心暗鬼になってしまいます。
飯田)いろいろな軍事演習も縮小・中止になっていますし、11月に予定されていた空軍中心の演習も中止という話も出ています。
須田)継続しておくことが有事に即応できるのですから、一旦中止するということは、将来的な米韓軍事同盟の解消にもつながりかねません。
飯田)GSOMIAはこのまま行くと、11月23日に失効です。--- ニッポン放送(2019/11/18)より 抜粋 ---